●サイコオンコロジーとは●


Psycho-Oncology(サイコオンコロジー)とは?

 

「心」の研究をおこなう精神医学・心理学(サイコロジー=Psychology)と、 「がん」の研究をする腫瘍学(オンコロジー=Oncology)を組み合わせた新しい言葉で、 「がんに伴う心のケア」を扱う領域のことです。

 

サイコオンコロジーの誕生は?

1980 年代に世界保健機関(WHO)が Quality of lifeQOL)に関する専門家会議を召集し、会議を重ねる過程で、1986 年、がん患者の心のケアを領域とする、国際サイコオンコロジー学会(POS アイポス)が創設されました。初代会長であるジミー・ホランド女史(メモリアルスロンケタリングがんセンター病院精神科, ニューヨーク)から参加の要請を受け、1986 年 11 月、河野博臣氏,武田文和氏らが発起人となり日本支部として、

JPOS(当初は、日本臨床精神腫瘍学会と呼称)が結成され、1987 年 8 月 、 第 1 回学術大会が開催されました。

日本サイコオンコロジー学会とは?

1986年に誕生した日本サイコオンコロジー学会は、「がん」という危機に直面した時の心のケアという、時代の要請に応え、「がんに伴う心のケア」を切れ目なく行う専門領域として発展してきました。

2006年の 「がん対策基本法」 施行から10年が過ぎ、がん患者さんと家族を取り巻く環境が大きく変化した今、サイコオンコロジーの知見は、がんだけでなく、重い病や災害など、人生の危機に直面した時のメンタルヘルスの礎として期待されています。

サイコオンコロジーの今日的位置づけは?

施行10周年を迎える「がん対策基本法」と、同法に基づくがん対策推進基本計画において、 国民病であるがん対策の中心課題に緩和ケアとともに心のケアが据えられ、全国拠点病院の 指定要件にもサイコオンコロジーの研修を受けた医療従事者の配置が義務付けられています。

全国で、ナショナルプロジェクトとして、指導者養成と実務者養成の研修事業が展開されています。

サイコオンコロジーの臨床・実践活動に取り組む専門家がサイコオンコロジストです。

サイコオンコロジーのアプローチは、がんだけでなく、すべての重い病に伴う心のケアに横断的に活用できるものとして、また、近年、我が国で取り組みが強化されている自殺予防にも大変有効なものとして注目されています。

大会長とサイコオンコロジーの関わりは?

大会長の上村恵一は、がん対策の中心課題である緩和ケア普及啓発事業(厚生労働省委託事業)を 担う日本緩和医療学会の委託事業委員長を務め、同時に、上記、全国の研修事業において指導者として、中心メンバーとなっており、がん対策推進基本計画に一貫して深く広く関与しています。 この活動が高く評価され、本年 9 月、第 28 回日本サイコオンコロジー学会総会で、学会初の奨励賞が授与されました。

現在、全国で 43 名の日本サイコオンコロジー学会認定登録精神腫瘍医の一人です。